【2024年10月16日更新】
中小企業診断士2次試験の「解答プロセス」について参考にしたいのでもう少し詳しく教えてください!
中小企業診断士2次試験合格するために「解答プロセス」=80分の時間の使い方が重要であり、2次試験勉強初期から固めていく必要があるとご紹介しました。※
記事では「解答プロセス」の構築方法とともに、筆者である私の「解答プロセス」もご紹介したのですが、中身についてはサラッとしか触れませんでした。
リクエストもあったため、本記事では私の中小企業診断士2次試験用の「解答プロセス」の詳細についてご説明いたします。
それでは、どうぞ!
※ご参考:中小企業診断士2次試験のための解答プロセス
中小企業診断士2次試験用の解答プロセスについて
本ブログの中でご紹介している私の中小企業診断士2次試験筆記用の解答プロセスはこちらです。
全体像
解答プロセス(時間の使い方):事例1~3
解答プロセス(時間の使い方):事例4
では各ステップの中で具体的に何をしていたか、詳細をお伝えしてきます。
中小企業診断士2次試験用の解答プロセス詳細
中小企業診断士2次試験の解答プロセスの解説にあたっては、イメージを深めていただくためにも、私が実際に受けた平成27年度の事例Ⅰを取り上げて説明します。
過去問はこちらです。
>>中小企業診断協会 中小企業診断士試験問題 平成27年度事例Ⅰ
ステップ0:解答用メモ用紙の作成
中小企業診断士2次試験筆記が始まったらまずやることが、解答用メモ用紙の作成です。
具体的には、問題用紙の一番外側の表紙部分をはぎ取ります。するとB4サイズの白紙の紙が手に入ります。最新の中小企業診断士2次試験用テキストにも書かれていることから、現在も使用可能なテクニックです(診断協会の過去問には白紙部分はないのですが、本番用紙には存在するのでご安心ください)。
ちなみに問題用紙分解は暗黙の了解になっており、注意書きでも禁止はされていません。ただし、急な方針変更の可能性もあるため、本番時に退場とならないように問題用紙の注意書きはしっかり目を通しましょう!
※情報処理技術者試験の論文問題は、いつからか分解禁止になっています。
ちなみに各ページをバラバラにする方もいらっしゃいますが、私は本番時にページが散乱しないように、カバーページだけはぎ取りすることとしました。特に本番時も問題なかったです。
ステップ1:概要把握
ステップ0が終了したら、与件文の冒頭の5行程度(第1段落)を読むことで、事例で登場する企業の概要を把握します。これは事例Ⅰ~Ⅳまで共通です。
中小企業診断士2次試験の筆記においては、先に設問を読み、何が問われているかを把握してから与件文を読むというのが基本的な戦略です。
ただし、対象企業の状況を知っているか・知らないかで、設問を読むときの想像力がまるで違ってきます。まずは対象企業理解の意味でも冒頭部分の与件文を先に読みます(ただし深入りは禁物です)。
ステップ2:設問把握
続いては設問把握のステップです。
「設問で問われていることに問われた条件で回答する」という当たり前が崩れてしまうのが、中小企業診断士2次試験筆記の怖さです。そんな間違いを起こさないために私は以下の方法をとりました。
- 設問文を読み、内容を理解する
- 設問文を作成した「解答用メモ用紙」の左側に書き込む
解答用メモ用紙への書き写しは、そのまま一字一句書き写すのではなく、「問われている内容は何か」を強調して書き換えます。
本番時に書いたものが汚かったため、以下に再現しました。
2度手間かと思いますが、与件文と設問文のページを行ったり来たりしないで済むのもメリットです。
この時、事前に学んだ知識などで解答に使えそうなものがあれば余白にメモしました。例えば「能力向上」ときたら「教育、標準化、マニュアル化」といった具合です。与件文を読んでいく際の発見力向上にもなります。
また事例Ⅳに関しては、ここで解答する設問の順番も決めます。「取れる問題から解く!」が鉄則です。この後はひたすら計算を解いていく作業となるため、以下のステップは事例Ⅰ~Ⅲが主体となります。
ステップ3:与件把握、段落対応
続いて、本格的に与件文を読み込んでいくステップです。
段落に番号を振り、重要な部分に下線を引きながら読み込んでいきます。色分けする方もいますが、持ち替えが面倒なので私はシャープペンシル一本派です。
以下は中小企業診断士2次試験本番時の問題用紙(実物)の一部です。
続いて、下線を引いた要素やキーワードを先ほど設問を書き込んだ解答用メモ用紙に書き込んでいきます。
すべてを書く必要は無く、何がどこに対応するか簡単に確認できるよう、パズルゲームのように用語を配置していきます(勝手にパズル式と呼んでいました)。
私見ですが、与件文は非常に高度に作り込まれているため、下線を引くような重要要素は、確実にどこかしらの設問に使えるものが含まれていると考えていました。もし不要なものが多い場合は下線を引きすぎている可能があります。
そのため、与件文でチェックしたのに使っていない要素やキーワードが多数存在する場合、また解答用メモ用紙にあまり要素が出てきていない場合は、抜け漏れが無いかこの段階でチェックします。
これにより、後工程での被害拡大の防止が可能です。
ステップ4:骨子検討
ここまで与件文を読み、必要な材料を揃える作業を実施してきました。続いてはその材料をもとに最終的な解答を書くための骨子整理です。
いきなり解答用紙に答えを書き出すと必要な要素が抜けてしまったり、書き直すのに時間がかかるため、この工程を設けました。
具体的には解答用メモ用紙の右側に実際に解答案に盛り込むべき内容をある程度具体的に書いていきます。
まとめている際に、設問の要求字数とあまりに乖離しそうな場合は注意が必要です。何か要素ごと抜け落ちている可能性や、設問との対応付けが間違っている可能性があります。その場合、解答用メモ用紙の左側や必要に応じて与件文などを再確認します。
大体の目安としては設問50字に1要素くらいでしょうか。ただ200文字でも最大は3要素くらいだと思います。
また、ここで全設問間で解答に矛盾がないか、整合性がとれているかの確認を忘れずに実施しました。
中小企業診断士2次試験は、全体で対象企業への診断報告書を作成しているとも言えます。設問内で抽出した課題に答えていなかったり、真逆の施策を提案していないかチェックを怠らないように注意しました。
これで大事故は防げます!
ステップ5:解答案の作成
この段階で、解答骨子が固まっており、抜け漏れチェックや全体の整合性確認まで済んでいるので、後は字数に合わせて解答用紙に書き込むだけです。
「考える作業」がほぼ終了しているため、短時間で済ませることができます。
ステップ6:解答案の確認
ここは最後の見直し時間です。誤字脱字の修正や汚い字を書き直すなどの対応に使います。
ただ、バッファー時間という位置づけの意味合いが大きいです。
ステップ5までを「70分で完了=2次試験時間を10分少ない時間で解くこと」を習慣化させることで、本番時の緊張や不測の事態の対処時間を確保していました。
70分で解くの?と思いますが、習慣化というものは怖いもので、勉強終盤では平気で時間内に収まるようになりますよ!
解答プロセス実行時の注意点
解答プロセスを用いて2次試験を解いていく中で、もし各ステップの時間をオーバーしたらどうするかという疑問が出てくるかと思います。結論としては潔く諦め、次のステップに進みます。
3分程度の誤差までは許容できますが、それ以上時間を使ってしまうと、解答できた問題までも落としかねません。もし何度も時間をオーバーする場合は、解答プロセス自体を見直してください。
また解答プロセスを逸脱することでプレッシャーとなり、後半になるにつれてリズムが崩れていきます。私の場合、最初から70分で解答プロセスを設計していますが、最後の10分は当てにせず、時間が過ぎたら次の工程に進むことを徹底しました。
普段やらないことを本番でやらないよう、解答プロセスの徹底を心がけてください。
まとめ
本記事では私が実践した中小企業診断士2次試験用の解答プロセスの詳細をお伝えしました。
解答プロセスは人によって千差万別のものですが、もし私の解答プロセスの中で、1つでも参考にできる部分があれば遠慮無く取り入れてみてください。
色々な記事の中でお伝えしていますが、 「パクり上等!、模倣上等!、工夫上等!」 でご自身オリジナルの解答プロセスを作り上げていただければと考えております。
それでは、また!
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おまけ(学習記録)
記事のおまけとして、記事投稿日の当時の学習記録を記していきます。
受験生の道しるべになれば幸いです。
・日時 :2015年2月25日(水) 勉強開始から「80日目」
・勉強時間:4.5H
・トータル:345.0H
・勉強内容:経済学・経済政策3,4章読込+学習マップ(2章)作成+経済学・経済政策問題集38問目
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