中小企業診断士養成課程とは?メリット・デメリットをご紹介!

中小企業診断士養成課程とは?メリット・デメリットをご紹介! 全般情報
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【2024年2月21日更新】

中小企業診断士には「養成課程」とうものがありますが費用の面もあるので迷っています。実際どうでしょうか?

中小企業診断士登録までの道のりには大きく2つのルートがあります。中小企業診断士1次試験合格後に2次試験へと突き進むルートと「養成課程」ルートです。

近年は体系的にコンサルの知識や実戦経験を学びたい方が、最初から養成課程を選択肢として中小企業診断士資格取得を目指すケースも増えてきています。

そこで本記事では、中小企業診断士の養成課程とはなにか、メリットやデメリットを交えながらご紹介します

それでは、どうぞ!

中小企業診断士 養成課程とは?

中小企業診断士 養成課程とは?

養成課程の概要

中小企業診断士登録までの道のりとして、大きく2つのルートがあると紹介しました。その1つのルートが「養成課程」です。

中小企業診断士までの道のり:養成課程ルート

養成課程とは、中小企業診断士1次試験合格後に、中小企業基盤整備機構または登録養成機関が実施する中小企業診断士養成課程を終了することで、2次試験(筆記、口述)や実務補習などを実施せずに中小企業診断士に登録できる制度です

なお実際に養成課程を提供している機関は中小企業庁のホームページで掲載(ページ下段)されています。

https://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/index.html

養成課程実施機関として「独立行政法人中小企業基盤整備機構中小企業大学校東京校」が提供するものと、登録養成課程実施機関として機関や大学など10数機関が提供しています。

養成課程の応募・入学要件

中小企業診断士養成課程の応募・入学要件は「中小企業診断士の1次試験に合格していること」が前提としてあります。基本的には中小企業診断士2次試験の受験資格と同じく、前年までの合格者が対象です。
※このため中小企業診断士2次試験に1度チャレンジし残念な結果だった場合に、養成課程へというルートも可能になります。

ただ注意しなければいけないのは、「中小企業診断士1次試験合格者≠養成課程に行ける」という点です。当然ながら募集定員もありますし、大学が提供している養成課程では、MBAコースなどの一部であることから選考試験があります。

以下、中小企業基盤整備機構中小企業大学校の要件です。

1.書面審査
受講申込書等の応募様式に加え、審査資料として当校の設定するテーマ(各期の募集要項に記載)に基づき作成した800字以内の小論文を提出していただき、当校内に設置した受入審査委員会にて審査を行い、面接予定者を決定します。
2.面接審査
書面審査に合格した応募者に対して、東京校内にて面接審査を実施し、当校内に設置した受入審査委員会にて審査を行い、受講者を決定します。

中小企業大学校 東京校 選考方法より引用(2024年2月21日)

他の登録機関でも同じように小論文と面接試験があるなど、中小企業診断士1次試験に合格しているかといって100%確実に養成課程に行けるわけではないので、そこは注意が必要です。
(ただ合格率は高いようなのでそこまで神経質になる必要はないかと!)

他にもグループディスカッションがある機関もあるため、詳細は各機関の選考方法をご確認ください。

養成課程のカリキュラム

機関によっても多少異なりますが、概ね中小企業診断士養成課程のカリキュラムは「演習」と「実習」で構成されています

演習とは、助言能力や経営戦略といった実践的なコンサルタントにおける基礎能力を高めるほか、グループワーク形式のケーススタディ(MBAのようなスタイル)を中心としており、リーダーシップやプレゼン能力を鍛えるために実施します。

実習は、グループで実習先の企業に伺い、実際の経営者インタビューから課題分析・戦略検討を経て、報告書の作成とプレゼンを行う実践訓練です。

養成課程は中小企業診断士の2次試験と実務補習・実務従事の代わりとなることから、演習で中小企業診断士2次試験を、実習で実務補習・実務従事に相当するカリキュラムが組まれている形です

中小企業診断士養成課程のメリット・デメリット

中小企業診断士養成課程のメリット・デメリット

それでは中小企業診断士養成課程のメリット・デメリットを考えていきたいと思います。

養成課程のメリット

1.中小企業診断士試験最難関である2次試験を回避可能

中小企業診断士試験の中で、もっとも難しいとされるのが2次試験(筆記)です。養成課程は冒頭でご紹介した通り、そんな中小企業診断士2次試験を回避することが可能です

最長で(知り合いで)13年ほど2次試験(筆記)に挑み続けた方もいらっしゃるくらい難しい試験を、養成課程では最短で6ヶ月、概ね2年で取得することができるのはメリットです。特にゴールが見えていることは安心感にもつながりますね。

2.コンサルタントの知識が体系立てて学べる

中小企業診断士の養成課程では、先に紹介したカリキュラムにある通り、コンサルタントとして必要な知識を体系立てて学ぶことができ、それをグループディスカッションなどで繰り返し訓練することで、しっかり身につけることが可能です。

中小企業診断士2次試験でもそれなりの知識が必要ですが、ともすると知識や経験に偏りがある状態で中小企業診断士に登録できてしまいます。私も運良く1年で中小企業診断士になることができましたが、診断士活動をする中で経験が足りないと感じる場面がすごく多かったのが事実です。

中小企業診断士となってから実戦経験を積むのもありですが、予め訓練を経た上で中小企業診断士としてスタートできるのはアドバンテージだと感じます。

3.MBAや修士の学位が獲得可能

登録養成機関の提供する養成課程では、MBAのカリキュラムなどと連携しているコースが多く、卒業とともに中小企業診断士とMBAなどを獲得可能です。

例えば「法政大学」ではMBAと連携したカリキュラムを提供しており、卒業と同時にMBAを獲得できます。

法政大学ビジネススクール
1年で10年の差をつけるビジネススクール、中小企業診断士

また「千葉商科大学」では修士の学位が取得できるほか、商学コースであれば税理士試験の一部試験を免除することが可能です。

学部・大学院:大学院 > 修士課程 商学研究科 > 中小企業経営管理コース 中小企業診断士登録養成課程 > 特色 | 千葉商科大学
千葉商科大学(CUC)オフィシャルサイト。千葉県市川市にある千葉商科大学は地域に貢献する教育研究拠点をめざし、実学教育を通じて、時代に適応する倫理観の高いビジネス人材を多数輩出している社会科学の総合大学です。

4.人脈形成が可能

養成課程の期間(6ヶ月~2年)を共に過ごす仲間との人脈形成が可能です。

中小企業診断士を目指す方は年齢・職種が幅広く、そのような方々との人脈形成は非常に重要です。特に一緒に勉強してきた仲間との人脈なので、卒業後も非常に強いものになると考えます。

また大学が実施している養成課程では未来の中小企業診断士だけでなく、MBA取得を目指す企業の勤めの方や経営者を目指す方といった、中小企業診断士以外のコネクションができるのが魅力です。

私の知り合いの話ですが、養成課程(MBA取得が可能なコース)には企業の幹部・リーダー候補生やMABを取得後に独立を予定している方々などが参加しており、日々刺激を受けていると伺いました。起業する方などいれば、もしかしたら未来の診断先も見つかるかも知れませんね!

5.会社員でも嬉しい平日夜間や土日での授業

登録養成機関では、会社員の方が仕事をしながら参画できるよう平日夜間や土日にカリキュラムを組んでいるところが多いです。

毎日自分自身でモチベーションを保ちながら中小企業診断士2次試験の勉強をひたすら繰り返さないといけない方法よりも、決められた日程で定期的に授業が行われるのもメリットかも知れませんね。

養成課程のデメリット

1.日常生活への負担が大きい

養成課程のメリットの5つ目では、仕事と中小企業診断士の取得を両立できることを紹介していますが、こちらはデメリットでもあります。

平日夜間や土日に開催されると言うことは、ほぼ1週間休みなく仕事&勉強となります(2次試験勉強の場合も同じなんですけどね・・・)。それが長いもので2年間続きます。その間、万が一仕事が繁忙期を迎えても休むことは困難です(単位を取得できず、卒業できなければもちろん中小企業診断士にもなれません)。

私の知り合いも当初は順調にこなしていましたが、繁忙期を迎えたときに事前学習や企業診断(実習)が重なってしまい、死にそうになっていました。

中小企業診断士2次試験の勉強においては多少の負荷分散も可能ですが、これが強制的に繰り返される養成課程ではデメリットといえるかと思います。

2.費用負担が大きい

中小企業診断士養成課程には大きな学費がかかることがデメリットとしてあげられます(自己投資として割り切るには決して安くはない金額です)。

概ね200万円ほどかかります(150万円から最高300万円以上のものまで)。

例えば、中小企業大学校では約230万円(6ヶ月)など、なかなかなお値段です。

私が実際に中小企業診断士登録にかかった金額は27万円強ですので、やはり大きな差があることがデメリットであると考えます。

まとめ

本記事では、中小企業診断士の養成課程の概要とメリット・デメリットをまとめました。

学費や日々の負担が増してしまうかも知れませんが、確実に中小企業診断士になれること、そして体系だった実践知識・計画の獲得やMBAの取得や未来の仲間、診断士以外の人脈が形成できるのは非常にメリットだと思います。

費用についても補助制度や会社によっては推奨資格として学費の負担をしてくれる所もあると聞きますので、ご自身の状況に合わせて養成課程ルートでの中小企業診断士登録も検討してみてください。

それでは、また!

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おまけ(学習記録)

記事のおまけとして、記事投稿日の当時の学習記録を記していきます。
受験生の道しるべになれば幸いです。

・日時  :2015年5月14日(水)  勉強開始から「158日目」
・勉強時間:4.0H
・トータル:699.5H
・勉強内容:運営管理、過去問平成26年度+平成25年度、経営法務、過去問フィードバック

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