【2024年9月15日更新】
中小企業診断士の実務補習ってどんな感じだろう。事前に準備しておくことや注意点とかはあるのだろうか?
中小企業診断士試験に合格した後、中小企業診断士として登録するには実務補習または実務従事に15日以上に参加する必要があります。実際の企業への診断をするため、初めて経験する方は不安になる方も多いと思います。
本記事では中小企業診断士実務補習の事前準備や全体の流れ、注意点などを自分自身の体験談などを交えてお伝えできればと思います。
それでは、どうぞ!
中小企業診断士実務補習とは
中小企業診断士に登録するための最後の関門が「実務補習」です。実際には実務従事という方法もありますが、本記事では自分が経験した「実務補習」について説明していきます。
まず、中小企業診断士に登録するためには、中小企業診断士試験合格後の3年間に合計15日以上、実務補習または実務従事への参画が必要です。
実務補習は1企業あたり5日間で構成されていますので、3社分の実務補習をこなす必要があります。スケジュールについては中小企業診断協会ページに掲載されています。
実務補習は15日コース(3社セット)と5日コース(1社分)、そして東京開催など限られますがが8日コースがあります。
15日コースは、連続して一気に実務補習をこなすので、負担も大きく、会社員にとっては休暇取得などハードル高めです。ただ真っ先に診断士登録ができますので、すぐにでも診断士活動をスタートさせたい人にはおすすめです。「あの15日コースを耐えたのか!」という武勇伝も生まれるとか生まれないとか・・・?
5日コースは、3回に分けて実務補習を実施します。2月と7月、8月、9月(一部地域を除く)に募集があります。登録まで時間はかかりますが、中小企業診断士には資格維持のため30日の実務ポイントを5年以内に稼がないといけない条件もあり、企業内診断士の方はあえてゆっくり登録するなんて方もいます。
8日コースは受講経験が無いので詳細は語れません。。。すみません・・・。
ちなみに私は、合格後すぐの2月をスルーし、7月・9月・翌年2月の3回に分けて取得しました。
ケース別に実務補習や実務従事にどのように参画するか記事にまとめているので、合わせてお読みいただけると幸いです。
中小企業診断士実務補習の具体的な流れ
中小企業診断士実務補習は大まかに以下のような流れで進んでいきます。
それでは具体的な活動内容と事前準備の内容をご紹介していきます!
ステップ1:実務補習開始前(メール受領~前日)
実務補習開始日のおよそ10日~1週間前に指導員(中小企業診断士の大先輩)から実務補習に関する案内メールが届きます。
指導員によっては3~4日前に連絡がくるケースもありますが、万が一迷惑メールなどに振り分けられていないか確認するようにしましょう。
またメールを受信したら以下を実施しましょう!
- 自己紹介
- 対象企業の事業内容・業種の調査
- ヒアリング内容の検討
まずは自己紹介です。これまではある意味ライバルだった受験生が今度はチームメンバーになりますので、メールにはすぐに返信し、簡単に自己紹介しましょう(たとえ私のように人見知りでも・・・)。
続いてが対象企業の事業内容・業種の調査です。
メールには診断先となる企業情報が書かれています。その企業のホームページや業種・業界などを事前に調査しましょう。
実務補習の当日は、集まってすぐに企業にヒアリングに行きます(たまに2日目のことも)。何もしていないと当日戦力外になりかねません・・・。WEB調査が基本ですが、「業種別審査事典」がおすすめです。地元の図書館にないか確認しておきましょう。
またヒアリング内容の事前検討も重要です。担当分野が事前に決まっていればその分野を、決まっていなければ全般的にざっくり質問したいことを考えておきましょう。
その他には送付されてきたテキストなどを読んで準備を進めておきます。
私の場合、コンサルタントの経験がなかったため、体系立てたコンサルスキームを学ぶために以下の本を読みました。中小企業診断士1次試験などで学んだ方法論がコンサルの流れに沿って体系立てて整理されているので重宝します。今でも読み返している1冊です!
ステップ2:実務補習前半戦(1~2日目)
続いては実務補習前半の「1日目」、「2日目」です。
【1日目】
実務補習初日は午前中にオリエンテーション、チーム内での顔合わせ、担当決め(※)を行います。その後、事前準備内容を共有しつつ、ヒアリング準備を進めます。
お昼を取りつつ、午後はいよいよ企業へ向かいヒアリング(社長インタビュー)を実施します。
※担当決め
メンバー間で「経営」、「販売」、「生産」、「人事」、「財務」などの担当決めを行います。初めての場合は自分の得意分野を選ぶようにしましょう。ちなみに「経営」担当はリーダー&プロマネを担います。「財務」は銀行員か監査法人の方(大抵一人チームにいます)が担当することが多いです。
【2日目】
実務補習2日目は初日のヒアリング結果を整理し、全体戦略を決めていきます。具体的には「SWOT分析」や「クロスSWOT分析」などを活用し、戦略を整理します。全社戦略が決まったら、個別にどこまで何を書くかディスカッションし、後半戦までの準備期間に移行します。
この際、如何に全社戦略と個別戦略(各担当パート)の整合性を決めておけるかが重要です。ここで失敗すると後半3日間が地獄と化します・・・。
ステップ3:実務補習合間の準備期間
実務補習2日目から3日目の合間の準備期間では、各人それぞれの担当分野の調査・分析・整理・執筆作業を行います。
メールやDropboxなどを活用しながら情報交換を綿密に行うことが後半パートの成功につながります。また中間報告日を設定しておくなど、後半で初めて他の方の執筆内容を見るといったことがないよう工夫も必要です。
チーム全体、ひいては診断先の企業にも迷惑を掛けることに事になりますので、本業などある方は大変ですが、しっかりこなしましょう!
ステップ4:実務補習後半戦(3~5日目)
最後が実務補習の後半戦である3~5日目です。報告を成功させるためにも、もう一踏ん張りです。
【3日目】
実務補習3日目は全社戦略と各自の担当パートとの整合性を確認します。
調査や報告書の内容が社長に喜んでもらえるか、役に立つ内容になっているかなど、内容を吟味しながら修正点を洗い出していきます。早めに解散し、各自修正作業に移ることもあります。
【4日目】
実務補習4日目は実質の報告書締め切り日です。この時点で内容がまとまっていない状況だとかなり苦しくなってきます。微修正程度になるよう仕上げましょう。
最後に資料の統合や目次作成、その他報告書に必要な資料を仕上げていき、印刷して完了です。印刷はキンコーズなどで行いますが、指導員によっては事務所等で印刷させていただける場合もあります。
後は発表練習などを行いながら最終日を迎えます。
【5日目】
実務補習の最終日の5日目。これまでの成果を社長に報告します。反応は様々かとは思いますが、少しでも喜んでもらえるよう全力で報告しましょう!
15日コースの方は引き続き次のミッションが与えられますので次の準備に取りかかります。
中小企業診断士実務補習中の注意点
実務補習は、途中で休んでしまうとその実務補習の修了証は入手できません。当然ながら支払ったお金も帰ってきません。また自分自身がリタイアしてしまうと、チームメンバーの負担が激増してしまいます。
2月、3月はインフルエンザ流行の季節でもありますので、とにかく健康に気をつけてくださいね!
またコロナ対策なども万全で実施しましょう。特に先方にご迷惑かけることになるのだけは避けたいですね。実態が分かりませんがリモートでインタビューなど実施したところもあるのでしょうか? 気になるところです!
実務補習の報告書は各自がそれぞれに作成しますが、フォーマットを決めておかないと4日目に地獄をみます。
目次が正しく表示されない、段落がおかしいなど体裁がぐちゃぐちゃになり、思わぬところで時間をとられてしまいます。
可能であれば、2日目までに報告書のフォーマットを統一しておくと共に、Wordの編集になれたメンバーに統合を任せましょう。(ちなみに3回とも統合作業は私が実施しました。メンバーや指導員からも大いに喜ばれました^^)
実務補習2日目と3日目の合間の準備期間では、それぞれで独立に報告書を作成していきます。この時、途中のものでも良いので、こまめに共有することが重要です。
3日目の段階で全社戦略と整合性がとれていなければ目も当てられません。もしリーダーを担当する場合は、メンバーの進捗管理などもしっかり行いましょう。
その他にも細かな注意点もありますが、上記に気をつければ致命傷は避けることが可能です。多少のハプニングはあるかも知れませんが、折角なのでそれも含めて楽しみましょう!
まとめ
本記事では中小企業診断士の実務補習の流れや注意点などをまとめてきました。
実務補習がどんなものか少しはイメージいただけていれば幸いです。また実際に自身が経験したドタバタたっぷり?の実務補習体験記も記事にしていますので、ご覧いただけると幸いです^^
それでは、また!
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おまけ(学習記録)
記事のおまけとして、記事投稿日の当時の学習記録を記していきます。
受験生の道しるべになれば幸いです。
・日時 :2015年1月12日(月) 勉強開始から「36日目」
・勉強時間:6.5H
・トータル:160.0H
・勉強内容:財務・会計、問題集65問+失敗ノート作成
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